Friday, December 15, 2006

10年ぶりのフロリダ遠征


10年ぶりのフロリダ遠征


今回は、PGAティーチング&コーチングサミットに出席するため。
米国PGA協会が2年に1度、ティーチングプロが一同に介して研究発表をして、お互い研鑽するコンベンションを開催している。
アメリカを中心に700人のゴルフプロフェッショナルが、PGAヴィレッジの「ラーニングセンター」に集う。
日本からの出席者は、小生を入れて2名だけと、寂しいかぎりだ。
実は10年前も日本人は、小生だけの出席であった。
ティーチングの部門では、世界を先導するアメリカから多くのことを吸収すべきである。しかし、いまだ取り払われない大きな壁があるように感じる。
それは、言葉の壁以上に、日本人が持っている農耕民族の体質かもしれない。
移動して交流することを厭わない欧米気質。
日本人は外から入っている文化に対しては、融合することに長けていても、自ら進んで取得することが少ないのではないだろうか。
こちらから進んで習得することなくして、道は開けないのだろう。
そんな思いで、10年ぶりに、フロリダまでやってきた。
今回の小生のキーワードは、「移動」と「交流」。

その昔、プロや研修生を連れて、フロリダ州オーランド周辺で開催されているミニツアーに出場する為に合宿をしていた。
日本ではゴルフのシーズンイン前の1月から2月に、半袖でプレーできるフロリダ。
賞金のかかったミニツアーに参戦して、実践経験を得る為に全国から若手が集まった。
1ヶ月間、コンドミディアムで自炊して、レンタカーのワゴン車を借りて転戦する。
20人以上の英語の喋れない選手をお世話するのだから、こちらも大変であった。
車がパンクしたり、道に迷ってロストすることもあった。
はたまた、交通違反で警察官のお世話になることも。
若いから出来たんだな~と、今だから思える。
10年間に渡る活動が、徐々に報われてきた。
一緒に行った研修生達が、プロテストに合格したり、シード権を獲得したり、ツアー優勝を果たした。
小生にとってフロリダは、今でも第二の故郷だ。


関西空港からデトロイト経由でオーランドに入る。
ノースウエスト航空のロゴも、10年前と様変わりしていた。
「NWA」のシンプルな文字が飛行機に入っている。
エコノミー症候群になりそうな狭い座席で、12時間弱を過ごす。
時間が来れば、必ず配給される機内食。
まるで家畜に餌を与えるような雰囲気である。
味も人間が食べるようなものではない。
それでも、出されるものは全て平らげるから、小生の貧乏性も困ったものだ。
清涼飲料水類は無料だが、アルコール類は有料となっているのは、今のご時世を反映している。
いつになったらビジネスクラスで旅行できるのだろうか、、、

デトロイト空港の変わりように驚かされた。
空港ターミナルが、新しくなっている。
やはりアメリカは、やる事がでかい!
何とモノレールが、ビルの中を走っているのだ。
建築費の投資コストと空調の維持コストを心配するのは、貧乏性の小生だけだろうか?
トイレでも驚かされた。
小便はもちろん、大便の排水までもが自動だ。
お尻を上げたとたんに、一気に水が出てくる。
手洗いの水(適度な温度のお湯だが)も、自動で出てくるのは当たり前で、その横の石鹸水も手をかざせば、そのまま出てくる。
最後に驚いたのが、ペーパータオル。
これも、自動で出てくるからたまげてしまった。
しかし何もかも自動のアメリカで、一つだけ無いものがある。
あのマライヤ・キャリーでさえ「日本のトイレは素晴らしい!」と言わしめたもの。
それは、ウォシュレット。


雪が降っても不思議でないデトロイトから、飛行機で3時間、オーランドに南下する。
そこは、半袖の世界。
ディズニーキャラクターが空港のいたるところのあるオーランドに到着した。
日本から出発して、すでに約18時間が経過している。
日付変更線を越えているので、1日得をした計算になる。

第二の故郷のオーランドだが、空港では最悪の思い出がある。
その昔、取材旅行でカメラマンと空港に降りたったあと、尾行されていた。
相手はプロの窃盗犯。
こちらは、1メートル以上の望遠レンズをはじめ大型荷物をレンタカーに運びこんだ。
その足でホテルに行くまで、後を着けられていたのだ。
チェックインをしている約5分間に、駐車場の車のトランクから全ての荷物がなくなっていた。
鍵をかけたはずのトランクが半開きになって、そこを車が逃げていく。
あっと、思ったときは、すでに時、遅し。
間が悪いことに、パスポートも貴重品全てを入れたカバンを残していた。
唖然として、その場に立ち尽くしてしまった。
でも悪い思い出を差し引いて、余りある良いことを、ここオーランドでは経験させてもらった。
毎年1ヶ月間、フロリダ州でミニツアーを転戦するキャンプ。
のべ100人を越えるプロや研修生を連れて、合宿をはった。
その間、色々な方々のサポートを頂き、多くの人々との出会いがあった。

今回のPGAティーチング&コーチングサミットは、フロリダ州、ポート・セント・ルーシーにあるPGAヴィレッジで開催された。
オーランドから南へ約150マイル。
レンタカーの予約は、日本からインターネットを通じてしていた。
パソコンから予約状況のプリントアウトしたものを持参した。
空港内にある、レンタカー会社のカウンターで見せれば、手続きは至って簡単。
そこから実際に車に乗るまでの手続きが、面白い。
効率を重視し、人件費が高いアメリカならでは。
「ミッドサイズのコーナーにある車の好きなものを選んでね。
 キーは、既に付いているから」とカウンターで言われてから、後はセルフサービス。
日本では、車の前まで連れて行ってくれて、詳しい説明後に車を引き渡される。
アメリカでは、勝手に乗って勝手に返すのだ。
チェックは、駐車場出口にゲートがあり、係員が行う。
その係員は、レンタカーの社員ではなく、駐車場全てを取り仕切っている人である。
ここまで効率化をされれば、接客サービスもなにもあったものではない。
料金競争が激しいからこそ、いかに少ない人員で効率的に運営するかを考えた結果なのであろう。
顧客も接客サービスよりも、価格を重要視している。
肩透かしにあったような感じで、出口ゲートを出て、一路PGAヴィレッジを目指す。
実は、ナビゲーション付きの車をリクエストしたのだが、あいにく在庫が無かった。
ナビに関しては、日本のほうが普及率が断然高い。
アメリカでは、住所がストリート名で明示され、標示も分かりやすいからなのか。
はたまた、アメリカ人が機械に弱いからか、、、。

小生、ホテルの住所と道のりをインターネットからプリントアウトしてきたから、ナビ無しでも問題無いと思っていた。
実は、これが今回の大きな問題となったのだ。

今回のホテルは、開場のPGAヴィレッジに隣接する場所にインターネットを通して予約した。
普通のホテルであれば、場所も迷わないはずなのであるが、ゴルフ場に隣接したコテージであったのだ。
しかもゲートがあり、許可の無い車が入れないようになっている。
レンタルオフィース(一般のフロントに当たるところ)は、別の場所に位置していた。
その場所が、実に分かりにくい。
何度も間違いを繰り返し、道に迷ってしまった。
ちょうどその時、パトカーが止まっていた。
「地獄で仏」の思いで、思わず近寄って話しかけた。
ここはアメリカ、警官は近づいて来る小生に警戒をする。
「そこで待ってろ!」と注意される。
道に迷っていることが解かると、実に丁寧に道順を教えてくれた。
パトカーに戻って地図を探し、道順を詳しく手書きしてくれた。
これで安心、間違いなしと思ったのだが、、、
平成18年12月16日

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